けっきょく僕は僕なのです。

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  「当然ですよ」 なんて溜め息混じりに頷いてくれる銀髪にピンク色のカーディガンに革製のロンドンブーツが特徴的の女の子。 五十嵐 真水。 従姉妹である彼女の言うことはもっともなんだけども、望んで出来た状況じゃあるまいし多少の弁明の余地くらいはあってもいいと思うのだけど……。 「まったくタイプの違う美人に言い寄られまくってフラグ乱立しまくってるギャルゲー主人公がリアルにいたら全力でシバき倒したいと思うのは当然のことじゃないですか」 なるほど。でもそれは僕の場合を除くでお願いします。 「つーか僕、ギャルゲー世界で主人公張れるほど顔いいとは思えないんだけどなー……」 一重だし。眼鏡だし。てか目つき悪いし。 主に顔の目元周辺パーツのおかげで相手への印象が悪いのか、たいていの人は僕とある程度の距離を置いて接してくるし。何より変なやつばっか周りには集まるようになってしまった。 「……何を感慨深く頷いているのかはあえて訊きませんが、たぶんアナタが考えるような理由は間違ってるだろうと否定だけしておきます」 ひでぇ。  
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