けっきょく僕は僕なのです。

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  「え。ええ……?」 真水ちゃんがよたよたと酔っ払いみたいなおぼつかない足取りながら立ち上がり、目を白黒。 そんなに驚くことだろうか? 「大学ってのは友達少なくとも教授と仲良くなれば案外どうにかなるもんなんだよ」 別に完全にいないというわけじゃないしね。いちおう。 奈々乃の先輩様方から過去問は貰えるし、音川君の友達さんからだって講義のノートのコピーが回ってくる。 友達は少なくとも、人脈のある友達を持ちさえすれば案外どうにかなるのだ。 そして僕の場合、切り札に永矢賀沼教授もいるわけで。 「そんなわけで、僕は単位なんて落としたことがないのです」 「ひーさんのバカやろう! 是非とも私に勉強を教えて下さい!」 それが人にものを頼む態度か。 「まあ、別にいいんだけどね。勉強を人に教えてやるくらいはさ」 ため息。つくづく僕ってやつは面倒な性格してると思う。 まあ、やっぱり、──どうでもいいけど。  
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