けっきょく僕は僕なのです。

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     ◆  ◆  ◆    「大丈夫かよ、ひーくん?」 「や。酷い目にあったね、ほんとに……」 ちなみに現在は食堂にて。 カップに注がれたコーヒーを一口。熱い。舌を火傷したのかヒリヒリする。 「たまたま俺がレポートの再提出に来てたから良かったもののな!」 いや。本当に。 彼、音川君が来なかったら僕はたぶん虐め殺されていただろう。 主に社会的な意味で。 「つか、ひーくんは何であんなことになってたんだよ」 「んー、何か学会前で気が立っててやった、だって」 ふーん、なんて納得してるんだかしてないんだか微妙な表情の後、音川君はまた何とも表現し辛い顔で。 「てっきり七夕さんをフったからボコされてたんかと」 ……もしかして、最初から聞いてたんだろうか? 「いや、ま。キャンパス内では持ち切りの噂だしなぁ」 えー。 そんなデッカくなるほど面白い話じゃないのに。  
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