けっきょく僕は僕なのです。

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  奈々乃が無駄に有名人過ぎるがために広がり方が半端ないのだろうか。 中学時代からどこ行ってもの人気者だしなー。大学入ってからは頭ん中のネジがダースの単位で吹っ飛んだ変人に成り下がってるけど。 「なに一人感慨深そうに納得してるのか知らねーけど、多分ひーくんが思ってることは大抵ハズしてると思うぜ。特に女関係は」 言ってくれるじゃないか。 まあ、でも。今僕が考えてた理由についてはおそらく揺るぎようもなく外れようもないので、わざわざそれをムキになって否定する必要もなく、僕はそうだねなんて頷いた。 「まあ、何はともあれ。音川君のおかげで助かったよ」 マジで。 まさか音川君に感謝することになる日が来るなんて思ってなかっただけに大いに。 「感謝してんなら女の子を紹介して下さい!」 感謝してた音川君が土下座した。 僕の中で地味に上がっていた音川君への好感度が滝登りに失敗した鯉並みに儚く落ちていく。 てか、ああ、もう……何だかなぁ……。 「僕だって人に紹介出来るほど女の子に縁ないっつーのに」 「いや。それは嘘だ!」 えー。 なんかとても力強く否定されてしまったよー。  
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