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「ねーねー朝まで一緒に頑張ろうよー」
「うるさい」
明日は一限からで早いんだからもう本当に寝ていたいというのに、アリスはどうにもそれを許してくれる気はないらしい。
僕は頭から布団をすっぽりと被って耳を塞いだのだが、彼女にはそんなこと関係ないらしく。僕の上にまたがいながら体全体を使って僕を揺らしてくる。
「ねーぇ。おーきーてーよー」
ぼすっぼすっ。
ついには布団の上からとはいえ殴ってくる始末。いい加減ウザい。
「ねーってばぁ! ちゃんとゴムも用意したからー! いっそしなくてもいいからぁ!」
布団が剥がされ、目の前には興奮しきった彼女の顔。
「……ったく」
ついには堪えきれず、僕は努めて保っていた理性を放り捨ててアリスの頭を掴んで寄せる。
そして殺し文句を一つ。
「いい加減にしねぇと無理矢理にでも寝かせつけてやるぞ、クソガキ」
「――――」
間違えた。脅し文句を一言。
アリスは引きつった笑みを残したまま、硬直。
まあ、ほっといて大丈夫だろう。たぶん。
「おやすみ」
返事を待たずに布団を被り直し、一言。
そしてそのまま僕は眠るのでした。まる。
…………。
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