けっきょく僕は僕なのです。

2/53
前へ
/280ページ
次へ
  「それで、お前はけっきょくどうしたいわけ……? つか何か、ノロケか? むしろノロケなのか!? つかアレか!? 彼女いない歴イコール年齢の俺に対する嫌がらせかゴルア!?」 「そんなこと言われても……」 困る、と言いかけて自分の立場というものについて思い出してみる。 音川君が、彼女が欲しいから奈々乃を紹介してくれと音川君に相談されて、無理だと断った後に、じゃあ真水ちゃんでいいや、いや、だから無理って断ってから、じゃー妥協してアリスでいいよと言われて、つい口を滑らせて「僕の彼女だから無理」なんて言ってしまって。ビンタされた。 それから、あんなの彼女にすると僕みたいに馴れてないやつは後悔するよと言ったら、「うるさいロリコン!」とビンタ。 じゃあどんくらいの苦労を僕がしているのかとを口頭ながら昨日の夜のことを身振り手振りで頑張って説明してやると、「この草食系男子!? もったいねーから俺によこせ!」と罵倒。 ……あれ? 考えてみたら僕、何も悪くなくない? 「いーや。お前が悪いね、彼女がいて、しかもあんな可愛い彼女からの夜のお誘いをそうあっさりと捨てちまうお前が絶対悪だね!」 「んな、理不尽な……」 なんか、たかだかそれくらいのことで、 酷い言われようにも程がある気がする。  
/280ページ

最初のコメントを投稿しよう!

851人が本棚に入れています
本棚に追加