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その先には、赤い尾を引きながら輝く物体があった。
「あれは……」
その流れ星の姿に、鋼は先程見たビジョンが重なった。
* * *
数日後、あの赤い流れ星は鋼の学校で話題に上がっていた。何でもこの町の近海に落下したらしい。
「火球の話もいいが、最近この付近で妙な失踪事件が相次いでいるから、みんなも登下校の際には注意するようにな」
ホームルームの最後。鋼のクラスの担任のそんな言葉に何か嫌な予感を感じつつ、鋼は足早に教室を後にした。
* * *
帰り道を歩いている途中、鋼はまたあの公園に立ち寄っていた。
「……」
白い服の少女。彼女のことがこの数日間頭から離れなかった。
少女を見た瞬間、あの火球のビジョンが見え、そして戻ったときには少女の姿はなかった。
何か、あのビジョンと彼女は関係があるのかもしれない。そして、自分にも……。
そんな予感を感じて公園へとまた足を踏み入れたが、そこには少女の姿はなかった。
「さすがにいない、か……」
鋼は自身の単純な思考を嘲笑し、家へ帰ろうと踵を返す。
「あ……」
その先に、少女はいた。
数日前と変わらない純白の服装を身にまとった少女。その姿は、やはり数日前と変わらず微かに輝いているように見える。
「君は……」
その言葉に応えるかのように、少女は鋼の下へとゆっくりと歩み始めた。
その瞬間、また鋼の視界はぼやけ、ノイズに包まれる。
(くっ……!)
それを必死に食い止めようと鋼は今の視界を失わぬよう少女を凝視した。
ノイズは段々と消える。少女の姿は見えたままだ。
しかし、それに薄く重なるように別のビジョンも見えてきた。
(これは……廃工場……?)
それは明かりのついていない廃屋の中だった。使用後置き去りにされ錆び付いた機械類に、ドラム缶や配線コード散らばっている。
少女は一歩ずつ鋼に近づく。
身体の感覚はある。しかし動かすことができない。
(なんだ……あれ……?)
鋼は、そのビジョンの中で、何かが蠢いているのを発見した。
一歩、また一歩と少女は鋼の下へと歩みを進めていく。
何かが配線コードに混じって動いている。それはタコやイカの足に近いようなものに見える。
(何かの……足か……?)
何か、嫌な感じがする。あれは恐ろしいものだと本能が鋼の体を強張らせる。
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