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夢を見ていたんだと思う。
緩やかな坂道に、朱い鳥居が等間隔にどこまでも続いて、桂夏を迎えた。
この場所を知っている。ああそう…学校の帰り道でみつけたんだ。鳥居の表面には、雨垂れの黒いあとや泥に近い色の苔がこびりついていて、所々にクモの巣まで張っている。
年代は感じさせるのに、その表面を飾る朱色はくすみも剥がれもしていなくて、その不自然さに変なの、と思ったものだ。
どこまでも続く朱い鳥居。
強く惹かれた。
その先には、この世界と全く別の世界がありそうで。
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