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ドスン!
軽い衝撃と共に、屋上に何かが姿を現した。
「なっ……なんだよ……これ……?!」
龍一が後ずさりし、呟いた。
屋上に現れたもの、それはものすごくリアルな鬼。ただし、全裸だ。
ギュオォォォォォォォ!!
鬼が叫ぶ。
「ボサッとするな、散らばれ!!」
冷静な康介が言った。
俺は無意識に横に跳んだ。
数秒前まで俺がいた場所には鬼の拳がめり込んでいた。
床には亀裂が入っている。
「ちっ!」
康介がエアガンを鬼に向け、弾を連射した。
だが、コンクリートに亀裂を入れる拳の持ち主である鬼には何の効果もなかった。
「逃げるぞっ!!」
「開かねぇよ!!」
隆行が扉の辺りで叫んだ。
どうすりゃいいんだ……?
「これだっ!」
春の声と、聞きなれないパァンという音。
同時に鬼の背中から血が吹き出し、倒れた。
「ふぇぇぇぇ……助かった……」
床に座りこむ龍一。
「こっちに来て!」
春の声が屋上の中心のあたりから聞こえた。
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