夜の校舎

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3つの顔がこちらを見下ろしている。龍一、春、隆行だ。 隣にいるのは康介だけ。 いよいよ俺の番だ。 「じゃ、行ってくる」 「おう、気ぃつけてな!」 俺は康介に言い、1階の男子トイレの窓から校内に侵入した。 既に怖い。トイレはただでさえ怖い、それに夜だ……。 俺は頬を叩き気合いを入れると、懐中電灯の電源を入れた。 怖い。 俺は右手にカッターナイフを持ち、左手に懐中電灯を持った。 端から見れば危ない人だろうと想像しながらトイレを出る。 鏡に映った自分の姿がすごく怖かった。 俺って意外と怖がりなんだなと思いながら廊下を見回す。 普段は生徒で賑わう廊下も、窓から差し込む月の光に照らされ、とても不気味だ。 静かなのが更に怖さを倍増させてくださる。 俺は廊下に響く自分の足音にびくびくしながら階段へと向かった。
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