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リッダーは思い出した。
ワクチンがあったことを。
ポケットに注射器が・・・
あった!
急いで腕に針を刺し青い液体を体内に流し込む。『これで確実に助かる』何故かそう思って一瞬、笑ってしまった。強盗はそれを見て自分を笑ったと思ってしまった。
タン!
『俺を馬鹿にしてんのか?』
リッダーの右足に弾が貫通する。
『あ゛ー゛』
悲痛な声が銀行内に響く
『うるさい!』
タン!
左足にも弾が撃ち込まれる。リッダーは自力で歩けなくなった。
『次は殺すからな』
そう言うと強盗は配置に戻った。リッダーは激痛に耐えながら涙を流した。
さっきから人質になっているリックは、試験管が割れてから何故かこの状況が楽しくてしようがなくなっていた。そして、それと同じくらい周りの人間を『殺してやりたい』と思っていた。
リックだけではない。さっきから泣いていた女性も同じ衝動にかられていた。
他の人質も強盗も皆、楽しくて誰かを殺してやりたくてしようがなかった。
リッダーを除いて
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