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青いワゴン車やパトカーが何台も銀行に到着した。
野次馬やテレビ局の人々も駆け付けたようだ。
立ち入り禁止を示す黄色いテープが現場周辺に張られ『POLICE』と表示されている防弾ベストを着た警察の特殊部隊がMP5短機関銃を構えながら突入を今かと待っている。
そうなると強盗の苛立ちはさらに増した。リッダーはアタッシュケースにしがみついていた。怖いのだ。一際目立つそのアタッシュケースは強盗の目に入り興味の対象へと変化した。
『なんだ?そのケースは?何か金目の物でも入っているのか?』
そう言うと一見若そうに見える強盗の一人がアタッシュケースをリッダーから奪った。ケースを開くと紫色の液体が入った試験管が姿を現した。
『やめろ!いじるな!』
リッダーは慌てて止めたが
『なんだこんなもの!こうしてやる!』
強盗は試験管を足で踏み付け試験管を割った。化学兵器の専門家ではないが、今ので化学兵器がばらまかれたのは素人でも理解できる。しかしリッダー以外はその紫色がなんなのか知らない。
まだ死にたくない!
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