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日曜日の表参道ケヤキ並木通り。
人混みの中でも一際目立っている二人の若者に、女性の視線は集まっていた。
「あのぉ今ヒマですかぁ?」
「ん?」
ふいに声をかけられ、きょとんとした顔で振り返ったのは、サラッとした艶やかな漆黒のストレートヘアな男。
白のジャケットとその綺麗な顔が今日の青空とよくマッチしていて爽やか。まるで王子様。彼の名は、山下智久。
振り返った彼の顔を見た女性がいっせいに唾を飲んだ音がした。
「…あぁ?」
ガラの悪い声と同時に、王子…山下の隣からひょこっと顔を出したのは、軽く毛先にカールがかかった茶髪の男。
これまた黒いジャケットと端正な顔立ちからワイルドさを醸しだしている。彼の名は、赤西仁。
すると、二人の男の顔を見た女性陣から満足そうな溜息がこぼれた。
「あの、よかったらこれからお茶でもどうですかぁ?」
赤面した二人の女性のうち1人が山下に向かって詰め寄る。
それを赤西は制止した。(具体的には、山下を守るようにして背中に隠して、女を突き飛ばした)
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