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「ちょ…っ、なんなんですかっ」
「それはこっちのセリフなんだよブース」
心底嫌そうに顔を歪めた赤西が、道に尻もちをついた女を見下す。
女は恐怖と怒りに震えている。
女と赤西が睨み合っている間、山下は棒立ちでにこにこ笑っている。(空気を読めない子)
「さっさと散れ。俺もコイツも面食いなんだよ。その面にメスでも入れてちょっとはマシな顔になってから声かけるんだなドブス」
「…ッ!」
すると悔しそうに顔を崩した彼女達は、足早にその場を去っていった。
「…仁、女の子なんだから、もうちょっと優しく接してあげないと」
「馬鹿かオメーは。ピィがそんなんだからあんな下等生物が寄ってくるんだろーが」
「(何様だよお前は。ただのフリーターのくせに)」
「ま、イケメンでこのルックスな俺様に近づきたくなる気持ちはわからなくもないけどな!」
「(自分で言うなよ)」
「悪ぃなピィ。俺がかっこよすぎるばっかりにいっつも足止め食らわしちゃって」
彼の、自分勝手で自信家な性格は毎度のこと。
山下は呆れながらも、いつまで経ってもアホで可愛い親友だなぁ、なんて思いながら微笑んでいた。
そんな俺様な赤西仁と天然な山下智久に振り回され悩まされる毎日が来るだろうことを、主人公はまだ知らない。
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