記憶

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案の定、受付には社長さんやヘアメイクさんがいて 変わらず接してくれた ヘアメイクさんは、受付から抜け出して、楽屋の行き方を教えてくれた 先生には、いつも楽屋まで挨拶しに行く もちろん舞台が終わった後 ドキドキしながら舞台を見て 先生の所へ 楽屋前では先生の知り合いの人たちが、先生と写真を撮ったりお話したり 先生は着替えや帰り支度があるので長くは時間が取れない 皆少しの時間だけど、列を作って先生との時間を待っていた 私は、付き人なので挨拶は一番最後 端で待っていたら 向こう側にドラマの共演者 先生とは夫婦役の俳優さんがいた 目が合いお辞儀をすると、遠かったが気付いてくれて、にこっと笑いかけてくれた それにも感動したが すれ違うときに 久しぶり、元気? と話しかけてくれた たかが付き人なのに、覚えてくれていたことにも感動したが 声をかけてくれたことは、とても嬉しかった やっと私の番が来て 先生に お久しぶりです!ご無沙汰してしまってすみませんm(__)m と近づいていったら 先生が手を差し伸べてくれて めぐちゃんじゃない!久しぶりね!舞台来てくれたの!ありがとう!元気だった? と…。 付き人から離れて一年 暑中お見舞いやクリスマス、年賀状そういうこと以外は連絡もしなかった私に先生は 変わらず優しい笑顔で話しかけてくれた まだ放送されてない2時間ドラマ 私も出させて頂いた それについて、先生が 可愛く写ってたよ!今までで一番いいかもね! (先生は主役なので出来上がりのビデオが貰える、それを見て) 舞台が終わって疲れてるはずなのに、笑顔で気さくに話しかけてくれた 帰り際 また、付き人頼むからその時は宜しくお願いね! ホントは私が頼んで勉強させてもらう立場なのに 忘れられない辛いことがあった 泣いて帰ったことも何回もある でも 今まで悩んでたすっきりしない心のモヤモヤが 一気に晴れた瞬間だった やっぱり付き人の話が来る限り頑張ろう 辛い、悲しい記憶は 楽しい、嬉しい記憶より強く残る それに囚われたままだと、一番大切なことがみえないことがある その人の本質 想いや優しさ、厳しさの中にある本当の意味 舞台を観に来て本当に良かった このまま嫌な思いを残したまま去らなくて良かった 私はまだ頑張っていける!
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