夢の第三歩 初めての撮影

1/1
前へ
/17ページ
次へ

夢の第三歩 初めての撮影

初めてのテレビ出演は、私が16の時 今では終わってしまったお昼の番組 『ルックルックこんにちは』 一般人、芸能人ののど自慢番組の再現VTR 内容は 幼い頃に両親を亡くし 唯一の肉親のおばあちゃんも亡くしてどん底にいる時 ずっと可愛がってくれていた住職さんのお陰で立ち直っていく、というものだった 撮影は カメラマンさん一人 (しかも、ホームビデオのようなカメラ) 音声さん一人 照明さん一人 再現でも、これは稀…と思う ①カメラがホームビデオ ②スタッフさんが3人 初めての撮影だったから、何の疑問もなかった 初出演で台詞あり 恵まれてる それに気付くのはもっと後になってから 忘れもしない、初めて貰った台詞 『なんで私だけこんなに不幸なの?』 辛い想いから立ち直れない主人公が 助けを求めお寺に駆け込み 住職さんに抱きついて言う台詞 これだけなのに、いざカメラが回ると頭が真っ白になっちゃって 何度NG出したことか… カメラの位置を把握出来てないから カメラがここにあるから この位置に入ってって言われてもうまく入れないし 手は震えるし、声も震える シチュエーションが↑だから 震えはオッケーっちゃオッケー 終わったときは反省② だったけど 楽しかった 心臓が口から出るくらい緊張した でも、達成感はあった 放送を心待ちにしてたけど 親と一緒には見れなかった だって、私だけど私じゃない! 誰かに助けを求める顔なんて 普通、見られたくないと思う でも、それが俳優の楽しさかも知れない 実際は、絶対見られたくない姿を 自分じゃない誰かとして演じる 自分の人生では経験することがないことを想像で伝える 自分じゃない誰かを想像して演じてる自分を 親が見てどう感じるのかを知るのが怖かったのかも 一人、部屋のテレビをつけて見た 手で顔を覆いたいくらい誉められたものでは無かったけど 緊張が反ってイイ味出してたし 初としてはオッケーだったかな? 親の感想は、良くもなく悪くもなくの感想だった 今、思うと 気にして言ってくれたのかもしれないなぁ 私、昔は打たれ弱かったからね 今は全然だけど(笑) これが私の初出演。 『ルックルックこんにちは』には これからたくさんお世話になることになる
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加