4人が本棚に入れています
本棚に追加
夢の第三歩 初めての撮影
初めてのテレビ出演は、私が16の時
今では終わってしまったお昼の番組
『ルックルックこんにちは』
一般人、芸能人ののど自慢番組の再現VTR
内容は
幼い頃に両親を亡くし
唯一の肉親のおばあちゃんも亡くしてどん底にいる時
ずっと可愛がってくれていた住職さんのお陰で立ち直っていく、というものだった
撮影は
カメラマンさん一人
(しかも、ホームビデオのようなカメラ)
音声さん一人
照明さん一人
再現でも、これは稀…と思う
①カメラがホームビデオ
②スタッフさんが3人
初めての撮影だったから、何の疑問もなかった
初出演で台詞あり
恵まれてる
それに気付くのはもっと後になってから
忘れもしない、初めて貰った台詞
『なんで私だけこんなに不幸なの?』
辛い想いから立ち直れない主人公が
助けを求めお寺に駆け込み
住職さんに抱きついて言う台詞
これだけなのに、いざカメラが回ると頭が真っ白になっちゃって
何度NG出したことか…
カメラの位置を把握出来てないから
カメラがここにあるから
この位置に入ってって言われてもうまく入れないし
手は震えるし、声も震える
シチュエーションが↑だから
震えはオッケーっちゃオッケー
終わったときは反省②
だったけど
楽しかった
心臓が口から出るくらい緊張した
でも、達成感はあった
放送を心待ちにしてたけど
親と一緒には見れなかった
だって、私だけど私じゃない!
誰かに助けを求める顔なんて
普通、見られたくないと思う
でも、それが俳優の楽しさかも知れない
実際は、絶対見られたくない姿を
自分じゃない誰かとして演じる
自分の人生では経験することがないことを想像で伝える
自分じゃない誰かを想像して演じてる自分を
親が見てどう感じるのかを知るのが怖かったのかも
一人、部屋のテレビをつけて見た
手で顔を覆いたいくらい誉められたものでは無かったけど
緊張が反ってイイ味出してたし
初としてはオッケーだったかな?
親の感想は、良くもなく悪くもなくの感想だった
今、思うと
気にして言ってくれたのかもしれないなぁ
私、昔は打たれ弱かったからね
今は全然だけど(笑)
これが私の初出演。
『ルックルックこんにちは』には
これからたくさんお世話になることになる
最初のコメントを投稿しよう!