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龍臣を慰めていると後ろから誰かが抱きつき、右耳に生暖かい風が当たった。
大体予想は付くけどな。
「どうした、水心」
俺は後ろの奴に問いただした。
「仁兄ちゃんを見てると僕のモノまでイきそうだから慰めてほしい。」
水心はいつもと変わらない声で言った。
こんな時まで下ネタ言いやがって…
と思ったが、よく考えたてみたら水心はあの夜の事を知らない。
こいつにとっては母の死は突然で意味不明な死なんだろうな。
いつもの調子で誤魔化してんだろうな…
「アホか。……泣きたかったら泣け。」
そういって、水心の頭を肩に押し付けた。
「加齢臭臭い」
まだ24だ!
と言いたかったが、鼻水を啜る音が聞こえたので思い止まり、水心の頭を撫でた。
そして俺も静かに涙を流した(色んな意味で)
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