『サヨウナラと言えない私の弱さ』

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ずっと、私の心にはアンタしかいなかった。 小さい頃からずっと一緒で、姉弟も同然の存在。 そんな私たちは、今年で高校生になる。 私は2年生で、アイツは1年生。 中学の学ランとは違う高校のブレザーに袖を通すアイツは、私の知ってるアイツとは何だか違くて隣を歩くのが照れくさい。 「ねぇ、にゃんこ先生。どうしたらいいと思う?」 抱き締めていたにゃんこ先生の顎を擽ると私の話には無関心そうにゴロゴロと喉を鳴らしている。 私はにゃんこ先生を抱き締めたまま床に寝転んで天井を見上げた。 昔は泣き虫だった。 私じゃなくてアイツが。 私より低かった背がいつの間にか見上げてて、 背中も声も、 男のモノに変わっていた。
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