『スキとは言えない俺の弱み』

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「藍ー今晩うちに集合だから。お父さんたち、もう飲んでるって」 「こんな昼間っからかよ…わかった。ちょっと待ってろ。ついでに一緒に帰る」 教室にひょっこり顔を覗かせたアイツが俺を見つけて側に寄ってくる。 放課後、ザワザワとうるさい教室で友達と話していた俺は、アイツの声に帰り支度を始める。 「えー彼女と帰んなよ」 嫌そうに眉を寄せて背を向ける。 早々と教室を出ていこうとするアイツに 「下で待ってろよ。先帰ったら美咲さんにチクってやる。幼なじみを待ってくれる優しさもお宅の息子さんにはありませんってな」 「娘だから!」 キッと肩越しに振り返っては俺を睨みつけて渋々教室を出て行く。 ちなみに美咲さんとはアイツの母親の名前。
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