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先程も言ったように、特に害があるわけではないので好きにさせているが、多分彼女は恨みがあって俺に付きまとっている訳では無い気がする。
大学に進学して、気の合う友人ができ、バカ騒ぎしたり周りが何かと賑やかだと、時折彼女が優しい表情で笑っているのを知っている。
いつもは何を思っているのかわからない無表情から、ほっと安心するような暖かな笑顔。
決して触れられるわけではないが、彼女が彼女の在るべき所へ旅立つ日まで。
きっと俺は彼女の側にいる。
『触れられない境界線』
(何笑ってんだ、杉本)
(…いや、今年は桜が綺麗だな)
(何クサイ台詞吐いてんだよ)
(ウルセーよ)
(ーーーーー……)
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