『おひめさまが泣いた』

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昼休みと言うこともあり、人が多いのは承知している。 しかし、私の隣を歩くのはサラサラの触り心地良さそうな髪が揺れ、長い脚がモデルを連想させる彼。 何故そんなにサラサラヘアーなんだ。 じゃなくて、なぜ隣に? 「白雪君は職員室にまだ用事?」 「まだ?」 「だって、さっき職員室に行ったから間城先生に伝言頼まれたんじゃないの?」 「進路希望調査の紙、早く出せって言われたんだけど無くして貰いに行って、書いたから出しに行くだけ」 「ふーん、早いね」 「もう大体決まってたから」 「へー…」 会話終了。 特に話すこともなく、非常に空気が重い。 こういう時に限って目的地までの道のりが長い。 私も彼も無言のまま職員室まで歩いた。長時間継続していたら間違い無く胃に穴が空いてましたよ。
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