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路地裏に入ってから1時間くらい歩いた頃、1人のお爺さんに出会った
由「ちょっと..あそこにいるの人じゃない??」
あ「本当だ...こんなとこで1人何してるんだろう」
そのお爺さんは背中を曲げて立ったままぶつぶつと独り言を言っているようだった
お爺さんの周りにはハエが集っていて
服装も見るからにボロボロで、少し離れたところにいる私達でさえも分かる程だった
あ「あの人に道聞いてみようか?」
由「止めときなよ!絶対変な人じゃん!!!」
あ「そんなの見た目で判断するのはよくないよ」
由「でも大体は見た目通りの性格してるものでしょ!?」
小声で話してはいるものの声は響き、きっとお爺さんに聞こえているだろう
お爺さんのぶつぶつ言ってる独り言でさえ、何を言っているかまでは聞き取れないけど聞こえてくるほどだから、私達の会話なんて丸聞こえなんじゃないかな
あ「私聞いてくるね」
由「ちょっ!ありす!?」
由梨亜が私の名前を呼んだ瞬間だった
お爺さんから独り言の声が消え、ゆっくりと私達のほうへ向いた
由「ひっ!!!」
そのお爺さんの顔は焼けただれているのか真っ赤になり腫れ上がっていて、所々から血がでていた
由「何あれ!!人間じゃないじゃない!!!」
私ですらびっくりしたんだから由梨亜が平気でいられるわけがない
私はその場で立ちすくみ
なにもすることが出来なかった
私達が立ちすくんでパニックになっているなか
お爺さんは私にゆっくりと近付いてきた
あ「な..に..この..臭いっ」
お爺さんが動いた瞬間
とてつもなく悪臭が鼻についた
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