不思議な本屋

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由梨亜は退屈そうにしてるかなと思ったけど案外そうでもないみたいだった 店主らしき男の子に夢中みたい しばらく店内を見て回ると一冊の本が目に止まった タイトルは「夢の国のアリス」 あ「アリス?不思議な国のアリスなら知ってるけど・・・」 夢の国のアリスなんか聞いたことがなかった でも無性にその本が気になって手にとってみたくなり手を伸ばしたとき 店主「その本が気になりますか?」 いきなり後ろから声をかけられたものだからビックリして手に持っていたカバンを落としてしまった あ「ごめんなさい!!」 店主「僕は大丈夫ですよ。こちらこそいきなり声をかけてすみません。ビックリさせてしまいましたね」 あ「いや!全然大丈夫です!」 あんな悲しそうな目で見つめられたら嫌でも許してしまう ま、嫌じゃないんだけど(笑) 男の子は「よかった」と言うとパアッと表情が変わりまた可愛い笑顔に戻った 店主「それよりその子、きっと貴女にぴったりですよ」 あ「この子?・・・この本のことですか?」 店主「はい」 本のことをこの子って呼ぶのにもビックリしたけど 私にぴったりって言われたのにもビックリした。 だって今日初めて会った私にぴったりだってわかるなんて・・・ 私そんなに解りやすいのかな でも最初はそれくらいにしか考えていなかった あ「本のこと大切に想ってるんですね」 店主「はい。ここにある本たちはみんな我が子のようなものですから」 男の子は今までよりも明るい笑顔で話してくれた あ「どんな内容なんですか?やっぱり不思議な国のアリスと同じ感じですか?」 店主「僕は不思議な国のアリスを存じ上げないのでなんとも・・・けれどきっとその子は貴女にいろんなことを教えてくれると思いますよ」 あ「いろんなこと・・・私難しい本はちょっと・・・」 店主「けして難しい本ではありませんよ」 あ「・・・?」 店主「どうなさいますか?」 あ「じゃあ・・買います!私店主さんを信じて読んでみます!いくらですか?」 正直迷ったけど何となくその本を読んでみたくなったから買うことにした 店主「お代はいりませんよ」 あ「え・・・?」 店主「貴女の幸せな結末を心より祈っていますよ」 この時は男の子の言葉の意味がわからなかった 少なくともこの時は
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