52人が本棚に入れています
本棚に追加
待て、少し落ち着け自分。
取り敢えず落ち着いて状況を振り返ろう。
今日、帰宅してから娘の作った夕食を食べて、風呂に入り、今は大好物のチータラをつまみに酒を飲んでいた筈だ。
今私の口の中にチータラの感触が残っているから間違いない。
そうしてソファーに座りテレビを見ていたら、家事を済ませた娘が私の隣に座り、いきなり爆弾発言をした…。
…いや、きっと私の聞き間違えだろう。はははっ、この歳でもう呆けてきているのだろうか。
うん、きっと聞き間違えだ。
父「み、都(みやこ)?ちょっと今の言葉聞こえなかったみたいだ…。もう一度言ってくれないか?」
都「え…?…じゃ、じゃあ…もう一度…言うね///?」
父「あっ、ああ…頼む。」
…都、何故顔が赤くて、少しもじもじしてるんだ?
止めて!そういうの!お父さん、何か怖いから!その反応怖いから!きっと聞き間違いの筈だから!
都「だから…私をお父さんの…お嫁さんにして…///?…お父さんだけの…女…にして…///?」
聞き間違えじゃなかったー!そして何かグレート上がってるー!
父「………」
都「…お父さん…どうしたの…?」
私があまりの急展開に口も閉じず、呆けていると都が不思議そうに聞いてきた。
父「都…疑問が尽きないが、聞きたい事がある…。何故…今日それを言った?そして何より…何故私なんだ…?」
私は都が言った事を嘘や冗談とは思わなかった。この娘は良くも悪くも嘘がつけない娘だった。素直な娘に育ってくれたという事もあるが、この娘が嘘を言うと直ぐに嘘だと分かる。…顔に嘘だと出てしまうからだ。
そして何より目が真っ直ぐに私を、私だけを見ていた。
だから他の…もっとも気になる事を聞きたかった。
都「お父さん…忘れたの?今日は「約束」の日だよ…?…あの時お父さんが私のお願いを聞いてくれた…「約束」の日だよ…?」
父「…そうか。今日だったな…。」
…少し昔の事を思い出した。
最初のコメントを投稿しよう!