第1曲~父と娘の愛舞曲~

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待て、少し落ち着け自分。 取り敢えず落ち着いて状況を振り返ろう。 今日、帰宅してから娘の作った夕食を食べて、風呂に入り、今は大好物のチータラをつまみに酒を飲んでいた筈だ。 今私の口の中にチータラの感触が残っているから間違いない。 そうしてソファーに座りテレビを見ていたら、家事を済ませた娘が私の隣に座り、いきなり爆弾発言をした…。 …いや、きっと私の聞き間違えだろう。はははっ、この歳でもう呆けてきているのだろうか。 うん、きっと聞き間違えだ。 父「み、都(みやこ)?ちょっと今の言葉聞こえなかったみたいだ…。もう一度言ってくれないか?」 都「え…?…じゃ、じゃあ…もう一度…言うね///?」 父「あっ、ああ…頼む。」 …都、何故顔が赤くて、少しもじもじしてるんだ? 止めて!そういうの!お父さん、何か怖いから!その反応怖いから!きっと聞き間違いの筈だから! 都「だから…私をお父さんの…お嫁さんにして…///?…お父さんだけの…女…にして…///?」 聞き間違えじゃなかったー!そして何かグレート上がってるー! 父「………」 都「…お父さん…どうしたの…?」 私があまりの急展開に口も閉じず、呆けていると都が不思議そうに聞いてきた。 父「都…疑問が尽きないが、聞きたい事がある…。何故…今日それを言った?そして何より…何故私なんだ…?」 私は都が言った事を嘘や冗談とは思わなかった。この娘は良くも悪くも嘘がつけない娘だった。素直な娘に育ってくれたという事もあるが、この娘が嘘を言うと直ぐに嘘だと分かる。…顔に嘘だと出てしまうからだ。 そして何より目が真っ直ぐに私を、私だけを見ていた。 だから他の…もっとも気になる事を聞きたかった。 都「お父さん…忘れたの?今日は「約束」の日だよ…?…あの時お父さんが私のお願いを聞いてくれた…「約束」の日だよ…?」 父「…そうか。今日だったな…。」 …少し昔の事を思い出した。
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