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あーうーと頭を抱える私をひーちゃんは不思議そうに見詰める。
このにぶちん(けどそこが好き)!
「うーん。なら、お金は先輩に返さなきゃね!」
「うん、そだねやだなぁ。ってひーちゃん? 何故そんなに嬉しそうなんだい?」
「先輩と話せるじゃない!」
アウチ! 君は先輩との会話をご所望かい? 生憎私はなるたけ会いたくないんですけどねっ!
けどいつまでもこのままにして借りを作ったままは嫌だな。早く返すことに越したことはない、か。
「あは、は……。はあ。会いたくないなあ」
「もう! 今日の放課後にでも行こう?」
「……はい」
ああもうわかったよ! 君のお願いとあらばたとえ火の中水の中!
あの先輩の元でも!!
憂鬱な気持ちで私は放課後を待つのであった。
お金はいくらだろ。けどあの時所持金ギリギリで注文したから所持金全部渡せばいいか。
そうすればあの先輩との借りは帳消しだ、うん。
なんて考えていたら、女子が一人、バンッと私の机を叩いた。ええええええ何事!? その子の顔を見ればそりゃもう別嬪さん!
ひーちゃんが可愛いならその子は美人! して何故君はその顔を歪めてるの?
「山城さん!」
「ん?」
やだ私の名前知ってる! やだもう照れるじゃない(あっ私が知らないだけか)!
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