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ひいひいどうしよう、こんな美人に嫌われるなんて嫌だ、ここは是非ともお近づきになりたい……! あの恥ずかしいことを言うのもあれだしどうしよう!
うんうん唸る私に美人さんは痺れを切らして「もういいわよ!」とスタスタ去っていってしまった。
ひぃい敵に回してしまった、なんてこった!
「あらら……。北城先輩、人気だしね」
「うあああんちくしょー! 借りを返したら金輪際関わるもんか!」
絶対に関わらないぞ!
先輩なんか鮮やかにかわしてやんよ! 願わくは誰か先輩のハート射止めてください、もうメロメロにしてください! そうすりゃ私みたいな平凡な女の子から興味をなくしてくれるでしょ多分。
頑張れ親衛隊の皆さん!
なんて、他人任せなことを考えながら今日で寒くなってしまう財布を握り締めた。いいもんもうすぐお小遣い貰えるから!
「……私の分をひーちゃんが渡してくれれば……」
「私先輩と認識ないもん、ましろがいてくれなきゃ」
ちょっ、そんな『あなたがいなきゃ駄目なの!』なんて解釈しちゃいそうなことを言われたら首を縦にしか触れないじゃないか!
全く罪な子だよ畜生め。
……駄目だ、先輩に会うと思うと変なテンションになる!
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