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もう関わらないで欲しかったのに! 何でお誘いが来た!? 待ってろとかふざけるなよ即行で帰ってやらぁ! ……なんてことが出来たらいいのに。
「嫌だ嫌だ嫌だ行きたくない行きたくない行きたくない」
「もうましろ!」
だ、だって行きたくないんだもん。昇降口に行きたくないんだもん。
もう窓から飛び降りてやろうかな!
「……ワーオ」
窓を開けて下を見た瞬間そんな気はすぐ失せましたけどね、五階たっかい。
未だざわつく放課後の教室。女子が「帰りコンビニ行くー?」なんて楽しそうに会話しているのが羨ましい。
「……せんせ、せんせ! 何か用事ないですか? お手伝いしますよ」
「山城それ何回目だ? ないって言っただろう」
なんか、なんかないですか!
先輩を先に帰らせる口実になるやつ。なんなら便所掃除でもいいですよ!
なんて私の願いが届いたのか、先生は「んなこと言ってもなぁ」と少し視線を上げた。
「……あぁ、じゃあ体育倉庫の整理でもしてもらうか」
「はい! やります!」
よっしゃ、これで今日の心配はいらな……
「じゃあ明日やってくれ、じゃあな山城」
「はい明日……ってえ゛?」
明日!?
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