極力関わらないでいただきたい。

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結局諦めて、先輩に腕を引かれるまま歩いていくと、カランコロン、と涼しげな音。その時先輩が何か店に入ったことに気付く。 (喫茶店……) 「二名様ですか?」 「はい」 「ではこちらへ」 美人なウェイターさんに言われるがまま席につく。 先輩はメニューを開いて、「何か選べよ」と視線を落としたまま言った。 ……えぇ、と。 「や、意味わかんないんですけど」 「はあ? 何言ってんだ」 だっていきなり放課後待ってろって言われて、何かと思えば行き先を告げられず腕を引かれて気付けば喫茶店、そんで何か選べよ。 訳分からんじゃないですか。 「あのですね、何で私を連れてきたのか教えてくれません?」 核心をついて問えば、先輩はメニューから目を離して顔を上げた。コイツ、本気で馬鹿か、なんて言いたげな顔をしている。 先輩だけど殴りたい。 「お前は喫茶店に来て何するかもわかんねぇのか」 「んなわけないじゃないじゃないですか。飲んだり食ったりでしょう」 「わかってんなら聞くんじゃねーよ。さっさと選べ」 んな、な! なんて暴君……! 何でこの人モテんだろう、爽やかさなんて微塵も感じないんですけどっ!
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