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「先輩?」
「あん?」
視線だけをこちらにむける先輩。けれどやっぱりその表情は妙に引っ掛かる。
何て言うか、あれだ。
ちょっぴり、嬉しそうな。
「……先輩、めちゃくちゃ嬉しそうですね」
「!!」
目を真ん丸に見開く先輩に、私はやっぱり、と違和感を理解する。
先輩と、甘いもの。
「……だったら何だ」
「やー……」
先輩と、甘いもの。
先輩と、ケーキ。
「ぶはっ!」
面白すぎです先輩。
「すみません私は少女マンガの女の子みたいに『変なんかじゃないよ、私も好き、甘いもの』なんて言えません! 超! 超! 似合わないっす先輩! ごめんなさい素直な女の子で!」
「お前俺を先輩と思ってねぇだろ」
思ってますよ、私よか二年早く生まれたんですもんね、それだけですけど。
「先輩にイチゴ……!」
「なら聞くが何なら似合うんだよ」
「酢豚!」
「……返答に困るようなこと言うんじゃねーよ!」
アンタが聞いてきたから答えたんでしょーが!
「パイナップルは邪道だァ! 先輩こんなんですか?」
「んなわけねぇだろ。いい加減にしねーと代金払わねーでお前置いてくぞ」
「調子乗ってすんませんした!」
しまった今はスカンピンだった!
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