極力関わらないでいただきたい。

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「わかればいんだよ」 「……へーい」 先輩はあっという間にケーキを食べ終えてしまった。早いな、流石男。 なんて妙な感心をしながらも待たせるのもあれかな、と急いで食べようとしたら先輩がくはっと笑いを溢して「置いて帰ったりしねーからゆっくり食え」なんて言ってきて。 優しい言葉に心底吃驚した私は「ひゃ、ひゃい」なんて変な声を出してしまった。 「くくっ、奇声」 「奇声言わんで下さい」 アンタが変なギャップ見せるからだ! それから先輩は本当に待ってくれた。代金も、私の分までちゃんと払ってくれて、私はありがとうございます、とお礼を述べる。 お金もちゃんと返します、と付け加えて。 先輩はニヤッと笑って「待ってるぜ」と言う。 く、くそぅまた教室に行かなきゃならんのか……! そのままずっと一緒に歩いて、私の家の近くに差し掛かる。 「あっ家この辺なんでもう大丈夫です。ありがとうございました、じゃっ!」 と早々に立ち去ろうとする私の腕を先輩が掴む。 勿論前に進むことは叶わない。 私はブンブン手を振りながら放してくださいと言うけど先輩は聞く耳を持たない。 焦れた私を、先輩は今までよりずっと強い力で引いた。
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