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「ひーちゃぁあん!」
「ましろ?」
翌日教室に駆け込んでひーちゃんに抱き付いた。ひーちゃんは吃驚した顔でぱちくりと瞬きをして「何があったの?」と頭を撫でてくれた。優しい天使!
「あのね……」
「ちょっと!」
事の顛末を説明しようとしたら、いきなりそれを遮られた。顔を向ければ知らない女子がいて、私をキツく睨み付けている。うわっ凄い香水の匂い。
「何でしょう」
「アンタ昨日、北城先輩といたでしょう!」
うげ、また先輩ガラミだ!
「いた、けど」
「何なのアンタ!?」
「や、何でもないです」
「じゃあ何で手なんて繋いでたのよ!」
「先輩が無理矢理、」
「北城先輩がそんなことするわけないでしょ! どうせアンタでしょ!」
「いや、違」
「似合うとでも思ってんの? アンタみたいなちんちくりん先輩には似合わないわよ!」
話を聞けぇぇぇぇぇっ!!
ていうかちんちくりんとは何だコノヤロー! 厚化粧のくせに!
「いや、似合う似合わない以前に先輩好きじゃないから」
「そんな嘘通用しないわよ」
だっから話を聞けェェ!
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