だから、言ったじゃないですか。

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「アンタ、放課後体育館裏来なさいよ」 厚化粧さんが私にしか聞こえないくらい小さな声で言いながら私を睨む。 ちょ体育館裏って! 行った時の私の末路が安易に想像できるんですけど! 「あっごめんなさい、私今日は先生から倉庫の整理という任務を仰せつかってますので後日に」 「……じゃあ明日でいいわよ」 「明日は土曜日ですよプフッ」 「アンタ! 喧嘩売ってんの!?」 「滅相もないです」 勝手に間違えたのは貴女ですから! その厚化粧さんはプリプリと怒りながら教室を出ていく。全く先輩のせいでろくな目に合わない。 「何かよく分かんないんだけど……昨日先輩と何かあったの?」 「ありました、えぇありましたとも!」 昨日の出来事を二割増しで説明した。 「えーよかったじゃん。先輩に奢ってもらったんでしょ?」 「無理矢理な!」 望んでいないんです! ノーサンキューなんです! なのにあの先輩無理矢理頼ませたの! 「うーん……。やっぱりましろ、気に入られてると思うけどなぁ」 「全力で拒否したいね!」 だっていいことないんだもの!
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