だから、言ったじゃないですか。

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「うえっ臭っ」 先生に言われた場所に行くと、裏庭の隅にちんまりとした倉庫を発見した。 渡された鍵で中に入れば、むわっとした体に悪そうな空気とごちゃごちゃと散らかる用具などが私を迎える。 「うわーこのサッカーボール空気抜けてら」 空気入れるべきなのかな、わからん。 まぁ取り敢えず片付けよう、うん。今日はレンタルしたDVDを観るんだ! 返却日近いしね。よっしそうと決まればさっさと終わらそう! 「胸のワンルーム住み着いた君なのー」 軽く口ずさみながら片付けをする私。だってこんな陰気くさい所、ハミングでもしなけりゃテンション上がんないよ! 誰かこの歌知ってる人いないかなー。ひーちゃん知らなかったし(笑顔でキューティーハニー? って聞いてきたからねあの子)。 「あらぁ、随分楽しそうじゃない」 「冗談よだけど」 「歌うのをやめなさいっ」 「何の用ですか」 昼間の厚化粧さんが、入り口で仁王立ちをしていた。何事、はっまさか! 「手伝いに来てくれたんですか! じゃあそこにあるミニハードル纏めていただいて……」 「そんなわけないでしょ!」 じゃあ何しに来たんだよ!
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