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「べっ別に深い意味はないから! ただ泣いてたから慰める意味でっ」
ああ、抱き締めたことについて弁解してるのか。よっぽど恥ずかしかったらしい。
「~~! 鍵は自分で返して!」
言うや私に鍵を放り、麗は脱兎の如く走り出した。
……可愛いなあ。これが……ツンデレってヤツかな? 先輩には勿体無いくらい可愛いんですけど。
ってぼんやりしてないで帰ろ。
鍵を返して、教室に荷物を取りに行く。ちぇ、持ってきとけば良かった。すこぶる面倒臭い。
てくてくと廊下を歩いていたら、ポケットにある携帯が震えた。取り出して開けば、そこにはひーちゃんの名前が。
「あいあい、ましろです」
「電話出れなくてごめんね。何かあった?」
「あ、もう大丈夫だよ。ごめんねわざわざ」
「ううん。じゃあまた明日ね」
「うん、バイバイ」
ぷち、と通話を切った。
教室に着いてバックを取ると私は真っ先に帰路に着いた。
今日は家帰ったらもう寝よう。
何か、色々と疲れた。DVDは明日に持ち越し。今日はさっさと休むに限る。
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