言葉よりも好きだから

僕らの間には…

そんな僕の手を彼が引き止め…

距離が近くなる。

彼の切れ長の瞳。
薄い唇。
男だけど
好きになってしまった。

放課後、
言葉も交わさず
２人きりの教室で
互いの気配をさぐり合う。

「好き」だとか、
言葉を伝えたことはない。

ああ距離が縮まっただけなのに、
泣いてしまいそうだ。

彼から逃れようと、
手を振り払おうとする。
しかし、更に抱き寄せられ…

彼の唇が、僕の唇に触れた。