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化け物は女性を掴んだ。
化け物の力が異様に強いため、女性の体はギリギリと締め付けられる。
「かっ……あ……」
女性は視界がぼやけてきていた。
化け物は口を開き、女性を丸飲みしようとした。
「こんな……ことに…なるなら……デー……トに……行っとけ…ば………よかった」
朦朧(モウロウ)とする意識の中、女性は彼氏のデートの誘いを断ったことを後悔した。
「その願い、叶えてあげますよ」
女性は「幻聴まで聞こえたか」と思ったが自分を締め付けている腕と一緒に、自分の体が地面に落ちた。
「?」
女性はわけが分からず、辺りを見回すと化け物の腕がきれいにスッパリ斬られていた。
化け物は痛みに耐えながら傷口を押さえている。
━━カツ……カツ……カツ……
女性は自分の所にやって来る足音を聞いた。
「そこでじっとしていてください」
足音の主は女性の横に立って言った。足音の主の風貌は見た感じ、身長160㎝前後の女の子。
女性は驚いた。
足音の主が自分より年下の女の子ということにも驚いたが、女性は彼女の持っている物に驚いた。
彼女の両手に握られているのは、彼女の身長を軽く凌駕する純白の槍。
不釣合いどころではない。
女性は素直にそう思った。
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