序章 風の祓魔師

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ごめんなさい、と影宮は断った。 「理由を……教えてくれますか?」 男は頭を上げて、影宮の顔を見て聞いた。 「好きな人が……いるの」 「誰なんです?」 男はその男のことを聞こうとしたが、影宮は悲しい顔をするばかりだった。 「そのことは話したくないの。……二度と聞かないで」 影宮はそう言って、立ち去った。 スタスタと早歩きだった影宮の足取りはだんだんゆっくりになっていった。 影宮は「はぁ~」と溜め息を吐き、気持ちを入れ換えた。 「ちょっとキツく言っちゃったかな?後で謝りに行こう」 影宮は、その行動が自身の好感度を上げていることに気付いていなかった。
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