第一章

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「おい!出だしから有名な本をパクってるだろがハゲ!」 「あれ、居たのか勇馬。いやさ、パクった訳じゃないんだよ。パクった訳じゃないんだけど、売れそうな出だしを考えてたら自然とさぁ。」 「バリバリ意識してるよそれ。このまま話が進んで、もし訴えられたら完全に負けるよこれ。」 「なぁに、引用とか参照とか付けとけば、怒られないんだろ?平気だよ、平気」 「平気な訳あるか!ってか引用するなら皆本物を読むよ。」 やれやれ、細かい事ばかり気にする奴だ。勇馬は昔からそうだ、っても一年前くらいからの付き合いだけどさ。 「あ、そういやハゲてないんだけど」 「そこに戻るのかよ、立派に十円ハゲだよ。」 人が気にしてる事を易々と。お前もハゲろ、ハゲちまえ。 あ~イライラする。 だから髪が余計に無くなるんだ、まったく。
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