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『中村さん…優しいですね。また…なんかあるんですか』
『何いってんだ(笑)あるわけない』
『だって』
『俺ってそんなに怖いイメージなのか?』
『怖かったですよ…』
『プライベートでは俺のほほんとしてるぞ、映画行ったり、買い物も殆どいかないで家でのんびりしてる』
『ご飯なんかどうしてるんですか?』
『家政婦さん』
『ええ!』
『俺の親は田舎生活がしたいって親父の退職後、奈良の田舎に行っちまった。だから家政婦さんにご飯やら掃除任せてる。俺、会社で徹夜なんてざらなんだぜ?ただ働き』
『え、それじゃあ中村さんは会社残ってたんですか?』
『そうだよ。がんばったけどお前犠牲にしたな』
『私はお荷物だったからいいけど』
『独身は気楽でいいぞ(笑)』
『奈良って…私の実家も奈良なんですよね。東大寺の近くの商店街なんです。ご両親は?』
『吉野だよ…遠いだろ?』
『かなり遠いですね(笑)』
『もう何年もあってないな…っていうか吉野行った事ないんだ』
『じゃあ来年の春にでも行ったらどうですか?桜綺麗だし。あ、冬はすすめませんね』
『お前も行くか?ついてこいよ』
『私なんか行っていいんですか?私も奈良に住んでて一回しかいったことないんですよね』
『じゃあ来年の春にいくことにしよう。ついでに東大寺見に行くから』
中村さんは軽く、そう軽くそう言った
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