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『遠かったでしょう?さああがって』と純さんのお母さんは迎えてくれた
お父さんもニコニコと迎えてくれた
『響子さんは左官の見習いなんだってね』とお父さんが聞いてきた
『はい。午前中は事務で午後から左官の仕事や雑用です』
『タコ焼きも焼けるのよね!』とお母さんは目をキラキラさせてきいてきた
どうやら家で作ってほしいらしい(笑)
『響子の実家も奈良なんだ。帰りに挨拶いってくるよ』
『じゃあ私達も行こうかしら…ねえ、お父さん』
『そうだな。そのほうがご両親も安心するだろうし』
私は実家に電話を入れてみた
『響子…あんたまた騙されてるんやないやろな』
『ちがうて!リストラされた会社の部長さんやし』
『お前が子供産むまで信用でけへんわ』
『もうお母ちゃん。何先走ってんねん』
『まあそちらのご両親くるんなら安心はしとるわ』
母親は一応納得してくれた
父親も渋々だ
まあ気持ちもわかる
あんなに信用してた人間にアッサリ、バッサリ騙されてしまったのだから
翌々日私達は私の実家に行き顔あわせをした
結婚式も今年の秋にするように予定をたてた
なにもか上手くいくようにおもっていた
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