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左官の作業中携帯が鳴った。純さんだ
『しばらく単身赴任だ』
『どこなの?』
『ケニア…』
『ケニア!』
私は思わず携帯を落としそうになった
ケニア…名前は知ってるけどどんなとこなんだろ
突然私は不安に駆られた
彼も私の元から去っていくの?
私は着いていきたいといったが治安も良くないしダメだと言われた
2年の赴任らしい
私達は結婚式を待たずに先に籍を入れることになった
出発は5月のGW明けである
私はアパートから彼の家に引越した。これからはこの家守らなきゃいけない…でも左官の仕事は辞めなかった
タコ焼き屋は引退したが、昼間の仕事は続けてた
『響子が好きなようにしたらいい。俺が帰ってきたら立派な左官職人だな(笑)』
『年に何度かは帰ってこれるんでしょ?』
『何回かはあっちにいかないとわからない。ごめんな、いきなりこんなことになって』
『したないです…あの会社海外に支社多いから』
純さんが出発の前夜、私達は狂ったように愛し合った
そして私と社長は純さんが見えなくなるまで見送った
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