街&人間

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「二人は、料理出来る?」 堀内が聞いた。 「はい。特に福田は得意ですよ」 徳井が答えた。 「なら良かった。ここでは、家事は順番でやるから」 堀内は立ち上がった。 「二階に来て。家の説明するよ」 三人はリビングを出ていった。 俺も後を追った。 リビングから見て廊下の右側に、二階へ続く階段がある。 階段を登ると、そこは直ぐに部屋だった。 「二階はシェアハウスみたいになってるの。ここが共同スペースで奥がそれぞれの部屋。今んとこ、二人一組で部屋を使ってるから」 なるほど。だから沢山椅子が置いてあるのか。 ……多すぎじゃねえか?四人で暮らしているのに、七つもある。客もこの部屋に来るのか? そんな事を考えている間に三人は奥にある廊下に向かっていた。 俺は慌てて後を追った。 「ここがそれぞれの部屋」 廊下に、ドアが四つ並んでいる。 「一番手前が俺と泰造、二番目が中田と藤森。二人は三番目を使ってね。一番奥は、開かずの部屋だから入っちゃダメだよ」 「へ?!」 徳井と福田が同時に叫んだ。 そりゃそうだ。こんな家に、なぜか七不思議があるんだからな。
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