街&人間

9/12
前へ
/48ページ
次へ
三人が手前から三番目の部屋に入ると、既に中田と藤森が部屋を掃除し終えていて、誰も居なかった。 俺は廊下に立ったまま、開け放したドアから中を見ていた。 ……ベッドが一つしかねえ。 「あ~、そうだった。この部屋一つしかベッド無いんだった。二人で一つのベッド使ってくれない?」 堀内が無茶な頼みを二人にした。 「ええっ!?無理ですよ!」 当たり前だが、福田は首を横に振った。 「そうだよね~、近い内に何とかするから」 堀内はそう言うと、部屋を出た。 「今日は歓迎会するからね~」 そう言って、堀内は去っていった。 二人は窓から外を見ていた。 俺は、部屋に入ろうと一歩踏み出した。 足を部屋に踏み入れた時だった。 ……………………………… 何だ? この部屋に、違和感を感じた。 部屋を見回したが、物がほとんど置いてないという事以外におかしな所は無い。 今のは、何だったんだ?
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!

51人が本棚に入れています
本棚に追加