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歓迎会って言っても、ただの飲み会みたいなものだった。
日付が変わって暫くしたら、それも終わり紳助と名倉は帰っていき、六人は二階のそれぞれの部屋に入っていった。
俺が徳井と福田の部屋を見に行くと、福田はベッドの横で床に布団を敷いて寝ていた。
一階に降りた俺は、ソファーに座りこれからどうするか暫く考えていた。
気が付けばもう少しで日の出という時間になっていた。
「なあ」
後ろから声が聞こえた。
俺が振り向くと、
「…………え?」
パジャマ姿の福田が立っていた。
そして、誰にも見えないはずの俺をじっと見ていた。
「お前、幽霊やろ?」
福田は俺に聞いてきた。
「ずっと同じ部屋におったけど、誰にも見えている雰囲気があらへん。霊が見える体質の俺だけが存在を感知しとるようやから」
「……確かに、俺は幽霊だ。最初から気付いていたのか?」
「おん。見えていないふりはしとったけど」
福田は俺の前のソファーに座った。
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