街&人間

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「お前、何て名前?なんでここにおるん?どうして死んだんや?」 一度に色々聞かれたが、 「残念だけど、答えられねえ。俺、何も覚えてねえんだよ」 俺は首を横に振った。 「記憶喪失って事か?そりゃ、成仏も出来へんな」 福田は言った。 「なら、これからどうするん?」 「記憶を取り戻したいよ。ただ、手掛かりが皆無だからな……」 俺は溜め息をついた。 「とりあえず、暫くはここにいるよ。話が出来る人が一人でもいる事が心強い」 「そうか……」 福田は少し考えてから、 「記憶を戻す手伝いならするわ。何かあったら、いつでも言ってな」 そう言ってきた。 「ありがとう」 俺が言うと、 「じゃ、俺は寝るから」 福田は二階に登っていった。 俺はソファーに横になった。 少しだけ希望が見えてきた。
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