街&人間

3/12
前へ
/48ページ
次へ
どうすればいいかも分からず、俺は座り込んだ。 いつの間にか歩行者も消えていた。 車も通らず、辺りは静かになった。 「こっちの道やったよな、確か」 「おん、そっちや」 後ろから、声が聞こえた。 振り向くと、二人の男が歩道をこちら側に向かって歩いてきていた。 「しかし、誰もおらん町やな」 二人の背の高い方が辺りを見回しながら言った。 「せやな。ここまで静かやと、不気味やで」 背の低い方が言った。 二人は俺の横を通り過ぎていった。 俺は軽い好奇心から、二人の後に付いていった。
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!

51人が本棚に入れています
本棚に追加