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二人はある一軒の家の前で立ち止まった。
一見すると普通の二階建の家だ。
この二人は、ここに何の用なんだ?
俺がそんな事を考えている間に、二人の背の低い方がチャイムを押した。
十秒もしない内に、ドアが開き、眼鏡をかけた男が現れた。
「徳井さんと福田さんですね?」
男が聞くと、
「ああ」
「おん」
やって来た二人は頷いた。
「名倉さんから話は聞いています。どうぞ」
二人は中に入り、ドアが閉まった。
俺はドアの前に立ち、試しに右手をドアに向けた。
やっぱり。
手はドアを擦り抜けた。
俺はドアに向かって一歩踏み出した。
その瞬間、俺は家の中に入っていた。
正面の廊下の向こうにあるドアから話し声が聞こえる。
俺は廊下を歩いていった。
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