第一章

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      運命   タカシの告白から一夜が明け、起床時間の朝9時。   俺は正直起きるのが嫌だった………。   起きてしまえばタカシと顔を合わす事になる。   昨日、タカシはたくさん泣いたんだぐらい目を真っ赤にしていたのにどう聞けばいいのか………わからなかった。   『男どもぉ、起きろぉ朝だぞぉ』   先生からの最悪な一言が部屋中に響き渡る。   俺は仕方なく起き布団をたたみ、私服に着替え、顔、歯を洗い帰り支度をしていた。   『ユキ!!おはよう』   昨日、泣いていたのが嘘ぐらい元気にタカシが声を掛けてきた。   それに対し『おう。おはようさん』   作り笑顔で答える俺。   昨日のタカシの顔は見間違いだったのか?と一瞬思ったけど何も聞く事は出来なかった………。   タカシが自分で話してくれるまで聞かない様にしようと俺は思った。   『今日帰ったらカラオケ行かん?』   タカシからの提案に俺は『行く』と二つ返事でOK。   『アユミも行くって言ってたから』   あれ?昨日、告白して今日、一緒にカラオケに行くって事は………。   『俺、昨日見事に振られちゃったよ……。でもな、振られたからって諦めるつもりないし、今まで通りユキと3人仲良くしていこうって約束してきたんだ』   タカシは俺が心配していたのを知っていたかの様にズバリ言ってきた。   『そっか。俺も実は昨日、タカシが目を真っ赤にして帰って来たの知ってたんだ。でも俺、どう接すればいいのかわからなくて寝たフリしてしまってた………ごめん』   俺は全てをタカシに話した。   タカシは本当にいい奴、俺はこいつとズット友達でいたいって思ったのがこの時からだった。   『ユキ君、タカシ君、おっはよ~』   アユミのいつもと変わらない元気で笑顔な声が爽やかに聞こえてきた。   タカシとも何事もなかった事の様に話してる。   俺は内心ホッとしていた。   また、3人で仲良く出来るんだと思ったから………。   『よっしゃ~今日はカラオケで盛り上がりまくろうや。タカシ、アユミ』
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