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『さぁて、誰から歌う?よっしゃ、ここはじゃんけんで』
順番決めでじゃんけんはどこに行っても同じ事。
タカシが『最初はグー』いきなり言ってきたので俺とアユミはそれにつられて『じゃんけんぽんっ』
昔からやってる事だから体が勝手に反応してしまう。
順番はタカシ、俺、アユミと決まった。
タカシは早速、ブルーハーツの『リンダリンダ』を熱唱している。
俺とアユミはタカシの歌に口をポカーンと開けていた。
タカシはお世辞も言えないぐらいの下手くそだったから……。
それでも俺とアユミはノリノリで聴いていた。
次は俺の番、Mr.Childrenの『シーソーゲーム』を熱唱。
2人はちゃんと聴いてくれている。
俺は一生懸命歌った。
アユミは華原朋美の『I'm proud』を………。
俺とタカシはアユミの歌う姿に聴き惚れていた。
でも徐々にアユミの声が小さくなっている。
俺はアユミの顔を見ておどろいた。
泣いている………。
アユミの瞳から涙が流れている……。
タカシも俺と同様におどろいていた。
アユミは歌の途中で部屋を飛び出してしまっていた。
『えっ?アユミどうしたん?』
俺はタカシに聞いた。
だけどタカシは何も言わない。
しばらくするとタカシが
『ユキ、行ってやってよ』
『何で?タカシが行かな意味なくなるやんか』
俺はタカシに強く言ってしまった。
『ユキが好きなんだって……アユミ………。昨日、アユミの口から直接聞いた』
『えっ?嘘だろ?』
俺は戸惑っていてこれ以上声が出なかった………。
『だから今日はユキが行ってやってくれよ。俺にはどうにも出来ないから』
タカシが真剣な顔で言ってくる。
俺はタカシの言ってる事が理解できなかった。
それでもとりあえず俺はアユミの所へ行った。
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