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もう早いもので季節は夏から秋に変わっていた。
秋の学校の行事と言ったら文化祭があるという事でHRの教室で文化祭実行委員を決めていた。
『男女1人ずつ立候補はいませんか?』
クラス委員のサオリが前に立って聞いてくる。
誰一人として、手を挙げる者はいなかった。
そりゃそうだ……実行委員なんかやったら自分の時間が奪われるんだから。
『誰もいないなら投票で決めたいと思います』
少しキレ気味のサオリ。
そんなにキレんのなら自分がやればいいのに………なんて事、恐くて言えない。
投票の結果、男子はタカシが、女子は結局サオリになった。
俺はタカシに『ドンマイッ。パートナーがサオリじゃタカシ……終わったな』
タカシは今にも泣きそうな顔で俺に助けを求めてくる。
俺はそんなタカシを笑いながら応援していた。
そんな中、アユミは何か元気がなさそうに見える………。
『アユミ?どうしたん?何かテンション低いよ』
『えっ?元気だよぉ。タカシ君、大変だね。ユキ君がタカシ君を助けてあげてね』
俺にはアユミの顔が作り笑顔ってのが分かっていた。
だけど俺はそれ以上聞いたりしなかった………。
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